- (その1)船釣りをはじめる人のために
- (その2)どの釣り座が釣れるのか?
- (その3)船釣りでの服装は?
- (その4)アニサキス食中毒の予防
アニサキス症(アニサキスによる食中毒、消化管アニサキス症)
はじめて釣った魚は生で食べてみたい。って感覚を持つ釣り人も多いのでは?
そんな中、気を付けないといけないのは寄生虫。
その中でも、アニサキスは有名ですね。
なので、危険をできるだけ冒さず釣った魚を食べるために、アニサキスに関する情報をまとめておきます。
寄生する場所…生鮮魚介類(多くは内臓)
寄生するのは…アニサキスの幼虫
とくにサバやイカが有名ですが、イワシ、カツオ、サケ、サンマ、アジ、ニシン、ホッケ、タラやヒラメ等、その他の魚でも寄生します。
見た目…長さ2~3cm、幅は0.5~1mmくらいで、白色の糸の切れ端みたいな感じで、クルンと巻いている事が多い。
成虫はクジラやイルカの胃に寄生していて、排せつ物に混ざって海に放出されたものをオキアミが食べ、それを魚が食べることで、他の魚の内臓に寄生するそうです。
【症状】
アニサキス幼虫に寄生された生鮮魚介類を食べても、ほとんどの場合、調理や咀嚼時にアニサキスが除去、死滅し発症までいたりません。
しかし、まれに生きたまま胃や腸に達した場合、胃壁を突き破ろうと刺入してきて、我慢できないほどの激痛や、気持ち悪くなったり、嘔吐などの症状を起こします。腸で起きると最悪腹膜炎にもなりえます。
食してから3,4時間から10時間以内に発症するので、夜に激痛に苦しむ場合が多く、医療機関で受診に手間取るのも難点。
こわいですね。

【予防法】
生で魚を食べないのが一番いいんですが、それができりゃなんの苦労もない。
・よく目視して除去。
目で確認して、食さないように取り除きましょう。視認しやすくする専用ライトも売られています。
・加熱する
熱に弱く、60℃では1分、70℃以上ですぐに死にます。しっかり加熱したら安心です。
・冷凍する
-20℃で24時間以上冷凍する事で、死滅します。ただ、家庭用の冷蔵庫だと48時間をめどに冷凍してください。
・包丁を入れたり細く切る
傷付くとすぐ死んでしまうので、なめろうやイカそうめんのように細かく細く切ったり、表面に切れ目を入れる等の切り方の工夫で、リスクを減らせます。
・内臓を早く取り除く、内臓を食べない。
寄生場所としては、多くは内臓に居ます。ただ、鮮度が落ちたりすると筋肉に移動しようとしますので、内臓をとったらOKというわけではないですが、できるかぎり早く内臓を取り除くことでリスクを減らせます。
また、ハラミとかの内臓に接した身の部分を多めに切り取る事でもリスクは下がります。美味しい部分ですけどね。
あと、4℃以下の低温環境だと、アニサキスの活動が低下して筋肉に移動しにくくなるので、内臓が入った魚は低温を維持する事(常温で長く置かない)でも予防しやすくなります。
・内臓はすぐ捨てる
内臓を取り出した時にまな板に置いておいたりすると、水分があると刺身へ移動したりするので、処理した内臓はできるだけまな板などでためて置いたりせず、すぐ捨てましょう。
・よく噛んで食べる
しっかり咀嚼すれば傷付くことで死にますので、最後の砦としてしっかり噛んでから飲み込みましょう。
【補足注意点】としては、酢で〆ても死なないです。しめ鯖とかアニサキスがいかにも悶えて死にそうですが胃酸でもある程度生きているわけです。酢や漬けとかでは予防にならない点をお忘れなく。
【アニサキスアレルギーについて】
アニサキス症になる(アニサキスが胃壁を突き破る)ことで体内で抗体ができてしまうと、アニサキスアレルギーになる場合があります。(アニサキス症だけがアレルギーになる原因ではないです)
アニサキス症とは別ですが、このアレルギーが厄介です。
アレルギーの症状として、蕁麻疹をはじめアナフィラキシーショックまでありえ、命の危険さえあるわけです。
しかも、アレルギーになってしまうと、アニサキスのたんぱく質を食すことで症状が出かねないわけですから、死んでいようが、加熱した後でも危険があるんです。
種類や見た目ではわからず、命の危険さえあるので、魚介類のほとんどを食べられなくなります。
この魚介大国である日本で、魚介類を食べられないのは悲しいですよね。
アニサキスアレルギーになる可能性を減らす意味でも、アニサキス症の予防は大切ですね。
【治療】
内視鏡手術によりアニサキスを摘出するのが一般的治療。なので、症状からアニサキス症の可能性が高い場合は、すみやかに内視鏡により摘出可能な医療機関を受診する。
参考資料
・アニサキス食中毒の予防は熱調理か48時間冷凍で。 | オリーブオイルをひとまわし
・魚を食べたら、激しい腹痛が・・・~アニサキスによる食中毒~|「食品衛生の窓」東京都福祉保健局




