仕掛けを作っておいたシマアジでも行くかな!と、前日に宿に予約の電話を入れると、
「明日は定休日だよ! 」
ガーーン
じゃ別の釣り物 (つりもの:釣り船で掲げる目標とする魚種や釣法で、もっとも本命とする魚の名前の場合が多い。例としてマダイとか根魚五目等) だな~と調べると、どこもヤリばっかだな~ 頻繁に食べている気がするが冷凍庫からなくならない。
オニならやりたいけど、あれだけ去年食べたら、釣りたいけどまだ食べなくてもいい。
なら(俺的に)久しぶりにアカムツやるかな。
今、銚子近辺でガンガン釣れてるけど、どう考えても殺気だってるだろうしピリピリの中に入りたくない。
数はいらないので、空いてる船でのんびりやりたいんだけどな~
別の初めての場所にする?前行った宇佐美とかは?
おっ、明日アカムツで出る船あるじゃん!
ってことで、お世話になったのは、宇佐美港 治久丸さん

帰港後撮影
宇佐美でのアカムツは、去年本命をゲットできたのだが、一つだけ気になっている事が残ってる。
ほとんどの人が、枝長が100cm程度で、捨て糸 (すていと:胴突き仕掛けで、一番下の針の分岐からオモリまでの糸の事。根掛かり時に切れる事を期待して、細めの糸を結ぶことが多い) なし。
この選択は、船長が置き竿 (おきざお:竿を手に持たないで竿掛けなどに置いた状態でアタリを待つこと) を前提に釣るための選択で、それをお客に教えるから皆そうなるのか?ってこと。

あれだけ潮が緩いポイントで、水深の変化も少なく、泥状の底で根掛かり (ねがかり:仕掛けが海底に引っ掛かること) をしないなら、手持ちで枝を短くする選択もあるはず。
のっこんでいないアカムツは、動きと刺激には敏感な傾向があるが、操船をしない釣り人だからこそできる事もある。
最近200号の手持ちに抵抗がなくなってる身にとっては、こっちの方が釣れるだろうって感覚があるんです。
ただ、皆が同じような釣り方をしている中で、一人違うやり方をすると、潮の状態によってはオマツリ (おまつり:他の人の仕掛けと絡まること) を誘発する。
そして、気づいていない別の要因の可能性も結構ある。
空いてて、潮の方向がよかったら絶対確認してやる。
これがメインテーマ。
あと、新たに作った磁石板を入魂しなきゃ!
まえ、短い奴をどこかに忘れてきて作り直したが、それもいまいち。
だいたい、目立たない色にしたからなくしたんだろうと、違和感のある色に変更。
そして、磁石の数も、針の数に合わせるって考えをなくし、少しでも固定を迅速にしたい。
100均のネオジムを使ってるんだから、大した値段もしないわけで、ガンガンつけちゃえ!!
ってのがこれ。

いい使い心地だといいな~
確認したいことが多い釣行です。
集合5時半で、5時過ぎに港に着くと、程なく船長到着。
もう一人の方が、急用でこれなくなったらしく、お客は俺一人らしい。
また大名釣り (だいみょうつり:高貴な方のごとく、至れりつくせりの釣りの事で、人数が少ない快適な釣りなども言う) ~。船長も竿を出して、二本の竿で狙います。

で、船でセットアップすると、ゲッ
ロッドキーパー (ろっどきーぱー:釣り竿を固定しておく道具) が用意され、磁石版がセット済み。

ガーン。いらないやん。
初めての船で、備え付けのものを取り外して俺のをつけるってのもな~><
入魂ならず。
河岸払い (かしばらい:船を離岸し、海に出る事) 6時、ゆっくりとポイントに向かいます。

夜明けを過ぎた頃、釣行開始です。


「はいどうぞ、水深250m 」
お客一人となると、オマツリ (おまつり:他の人の仕掛けと絡まること) の可能性はなし。
「こりゃ、やりたい放題だな! 」と、手持ち仕様の仕掛けを投入。
以前の経験と同じく、潮も緩い。水深も変わらず。底も泥。
着底して、程なく小さくアタリ (あたり:魚が餌に食いついた時に竿先が動くこと。魚信ともいう) 。
うーん、明らかにアカムツではないな~
あがってきたのは小さなアゴナシ(ギンメダイ)。
少し空いて、アタリ (あたり:魚が餌に食いついた時に竿先が動くこと。魚信ともいう) は良かったんだけど、暴れ方が弱い小さいシロムツ。
続いて小さいサバ。
うーーん、魚っけはなんとかあるんだけどね~
って、船長の竿が曲がってます。
たまに暴れて、重みも結構ありそう。
船長も真面目に手持ちで巻き上げてますから、本命の可能性を感じている。
いいな~と俺も置き竿 (おきざお:竿を手に持たないで竿掛けなどに置いた状態でアタリを待つこと) にして、見に行くと、いきなり俺の置き竿 (おきざお:竿を手に持たないで竿掛けなどに置いた状態でアタリを待つこと) が当たってる。
おっとっと、慌てて戻って巻き上げはじめると、おんなじ感じでたま~にトルクのある暴れ方。
デカムツかい?
って180mぐらいでクンと竿先が跳ねる。
ガーーーン。バレ (ばれ:魚がかかったが逃げられること) ました。
アカムツだったかも~><
船長のがアカムツだったら確実にそうだな~
って上がってきた船長の魚は・・・サメ
よく休むサメでした。
船長も、サメにしては間に休み過ぎって感想だったみたい。
俺の上がってきた仕掛けは、どの針にかかってたのかわからない感じで傷んでいませんでした。
うーん、むちゃくちゃいい感じでかかっていたサメか、トルクはあったのでデカいアカムツだったのか。
残念です。
ま~巻き上げ速度もゆっくり目で、波で揺れてもなかったのでどうしようもなかったな~
その後は、サバがたまにあがり、ギンメダイ。
少し初島よりに移動して水深300m前後
そこでは、チビユメカサゴとチビ沖メバル。
もっとデカいとうれしいんだけどね~
なんせお客は一人なので、本当に好きなような待ち方ができる。
オモリをソッっと着底させてゼロテンション (ぜろてんしょん:オモリを海底に着けて、竿先が曲がるか曲がらないかぐらいの状態でアタリを待つこと) でかなり長めに待つ。
一人じゃなきゃ、潮が速かったり向きが悪かったりだと決してできない待ち方。
これなら枝が70cmもあれば十分でしょうし、目指す棚に針を多めに入れられる。
でもアカムツがかかる気配がない。
その後、船長が釣ったのもサメやサバとかチビキンメ程度。
治久丸の船長も、明らかに長い枝と捨て糸 (すていと:胴突き仕掛けで、一番下の針の分岐からオモリまでの糸の事。根掛かり時に切れる事を期待して、細めの糸を結ぶことが多い) なし。そして長く胴に入る竿で、棚を多めに切った待ち。
やはりこの宇佐美の標準的な構成での狙い方だな~
後半、アタリ (あたり:魚が餌に食いついた時に竿先が動くこと。魚信ともいう) がなくなって、座ってアタリ (あたり:魚が餌に食いついた時に竿先が動くこと。魚信ともいう) を待ってると、
いきなり、クン、ググンと最高の乗り方、
うわっ、アカムツっぽい!!
おおっ、暴れる暴れる!!
っと巻き上げるにつれ?
うん?
暴れ方の鋭さがいまいち・・・
しかもどんどん弱くなる・・・
最初だけで、アカムツの赤色が落ち (おち:寒くなる時期に魚が深い場所に移動する事) ていってるのでは・・・・
あがってきたのは・・・
ギスでした><

その後、最後の流しで、アタリ (あたり:魚が餌に食いついた時に竿先が動くこと。魚信ともいう) は小さめだったが、でもトルクフルでたまに暴れて重め。
なんか体験済みな気もするが、
船長が「どう?」
うぞっ「うーーん、赤いサメかな?」
それでも起死回生のデカムツの可能性を夢見て、手持ちで長い時間耐えていると、
あがってきたのは、そう、たま~にしか暴れない素直にあがってくる上品なサメでした。
おとなしすぎるだろうよ!!!
11時過ぎに納竿 (のうかん:釣りを終了すること) ~っ
撃沈しました><
最終釣果 (ちょうか:釣れた魚の数) は、サバ4(3持ち帰り)、ギンメダイ2(チビでリリース)、ユメカサゴ1(チビでリリース)、沖メバル1、ギス1(リリース)

俺か船長の片方だけが釣るか、両方釣れば少しは結論がでるんだが、両方とも釣らないとアカムツのやる気がない事しかわからんやん。
・本命釣れず
・シマアジのリベンジできず
・磁石版未入魂
・宇佐美アカムツの仕掛けの意味も未判明
春の嵐ならぬ 「失敗の嵐 」でした。
達成したのは、 「空いた船でのんびり 」って所だけ。
でも、美形デカムツを夢見てノンビリ釣れただけで幸せなんですけどね。
お世話になった治久丸さん、船長も気さくで、船は小さく新しくはないが、ものすごく綺麗に掃除され、整頓されていました。
しかも設備もしっかりしていてすごく快適。
休憩所とかはないですが、沖上がりに暖かい飲み物と、真水でガンガン手も道具も洗えて、また利用したくなる宿でした。
船着き場のすぐ近くに温泉で手を温められる場所もありました。

真水でいろいろ洗ってからだったので、車の中でも潮の匂いはしないし、快適に帰宅して、
魚もほとんどないのであっという間に片づけて、仕事へ・・・
ま~あの海域のアカムツで坊主 (ぼうず:狙った魚が一匹も釣れない事。オデコともいう) 上等の強行ですから、こんなもんでしょう!
鯖は切ってみると美味しそうだったので、当日はサバ味噌、あとしめ鯖と竜田揚げへと仕込み、釣り餌ではなく、人間の餌になりました。

サバさん、ごちそうさまでした。