いつ船が出なくなるかわからないので行っとかないと!
小雨は混じって寒いかもとの予報だったが、電話を入れたら四隅とトモ側は2番目まで埋まってて右ミヨシ (みよし:船の中の位置で船首側を言う) 2番を予約。
前回までのおさらいとしては、
・待ち方は、じわ~っと遅い誘い下げからの長めのビタ止めが基本。これで上から棚を変えながら探る。
・大カマス針を使うなら、フロートパイプで重さを軽減し潮乗りのいい状態にする。
・活性がある時はやり取りできるが、渋い時は一発目のアタリ (あたり:魚が餌に食いついた時に竿先が動くこと。魚信ともいう) を見送ると再アタックは期待できない。即オニ合わせ。
・食いが浅い時にホタルイカの肝は有効だった。
この寒い時期の深場アカカマスは脂がノリノリで最高に美味しく、この釣りは時合と停滞の波が長周期で現れ、活性 (かっせい:魚の食い気が良さ) が高いと結構釣れますが、活性 (かっせい:魚の食い気が良さ) が低い時は群れの反応はしっかりあっても恐ろしく釣れない。
そう、渚丸の船長は群れの見極めは上手いので、この停滞時に口をどうやって使わすかが命題で、そこをこの時期妄想してます。
渚丸の船長がその解の一つとして考案したのがリアクションバイトを利用した引っ掛け釣り。活性 (かっせい:魚の食い気が良さ) にあまり関係なく釣れますが網で取った魚が傷ついていることで職漁からもクレームあったそうですし、個人的に釣りとして楽しくなかったので足が遠のきました。
結局考案した当の渚丸が最初に引っ掛け釣りを自粛して餌釣りに戻した後、他の船も追随して戻した感じで、そこからは再開し年一釣行してます。あくまで自粛で禁止ではないからやってる人もいるかもですが、餌釣りは難しいから爆発的な人気にはならなくても美味しいし、難しいってのは趣味の範疇では魅力でもありますからね。
前日予報を見ると、雨の降りだしが早くなって結構降りそうだし、気温も上がらない。悪い方に振れたな。ま~魚のご機嫌は取れないし忖度もしてくれないが、人間の防寒対策はできる。
って準備をしてる時に、治療が終わってかぶせる歯を仮止めして問題が起きないかを確認していたのが、ポロっと取れました。歯医者に電話すると付けた方がいいなってことで急遽歯を持ってかけつけ、微調整して本止めしました。さらに、予報が悪くなったのでキャンセルが結構出たらしく、「来れますか? 」と確認の電話が宿の女将から入ったんですが、出船停止は宿が決めるけど、予約したら自分からはやむを得ない時だけじゃないの?と「さぶいのは覚悟してます! 」と当然気合で乗る旨を回答。一応他のお客にも確認を入れた後、「出ますので暖かくしてきてください 」と最終連絡がありました。
バタバタだな。これで「準備万端だと釣れない 」法則は崩れたから、釣れるな。
お世話になったのは、片瀬漁港 渚丸さん。最近のスマホカメラは無茶苦茶暗くても街灯の光を拾ってスローシャッターでブレなく撮れる優れものですね。

朝5時25分ぐらいに港に着いて、霧雨が降ってましたが気温自体はそこまで寒くはない。カッパに水が浸透しなけりゃ大丈夫な感じ。まだ宿が開いてなかったのでまず車で堤防上をバックで進入すると、普通ならこの時間なら船前に車は2,3台が停めてあるはずなのに自分が一台目でした。5時30分過ぎに宿が開いて受付すると、なんとお客が3名だそう。数日前の段階で自分が予約7人目という認識だったのにビックリ。
コロナ禍から船釣りの世界も予約必須がほとんどになったが、宿がOKだせばいいとは言え、空予約は良くないな。どんどんお客にとって不利益になる決め事が増えるだけだろうに。
船長が他のお客にアドバイスをしてるのを俺も聞いたんですが、誘いは上に竿を上げるのではなく下げて餌を落とす方向にというのと、落ちる餌に食い上げ (くいあげ:魚が餌をくわえたまま上に泳ぐこと。速く巻き上げないとバレることがおおい) てくるので竿先を下げてアワセる。
え?竿先を下げて?そっか!誘いまでは認識があっていたが、アタった時に竿先を下げるとオモリの重さで針も下がる。食い上げ (くいあげ:魚が餌をくわえたまま上に泳ぐこと。速く巻き上げないとバレることがおおい) てる場合は下げた方がかかりやすいのか。
なるほど、だから下アゴに針がかかる事もあるわけね。今まで、オリャ↑って上にアワセて硬い上あごに貫通させることばかり考えていたが、それも面白いな。
食い上げ (くいあげ:魚が餌をくわえたまま上に泳ぐこと。速く巻き上げないとバレることがおおい) るばかりとは限らないが、落ちてくる餌なら食い上げの確率は高いし、その時にオモリの力でアワセて下アゴにかかれば、針の貫通力もそこまで必要ない。
今日はそれを試してみよう!
お客は寒くても乗る様な三人なので、出船準備もすぐに整い、予定6時半より10分早く河岸払い (かしばらい:船を離岸し、海に出る事) 。船長も少し竿を出すみたい。

霧雨が降っていたので、俺も早々に準備を済ませ船室に入って横になってました。ゆっくり目に40~50分走って二宮沖に到着。

海は霧雨なのか霧なのかわからん状態で、陸も見えないぐらいです。ただ、風と波は穏やかですね。

船長から160~185mの反応が伝えられ、「朝一はアタリが良く出るので手返し良くやってね。結構アタルと思うよ! 」
とのこと、潮はいいくらいに流れていてカウンタが上の棚多め5mで一度止めて少しあおって、幹からハリス (はりす:仕掛けの中で針が結ばれている糸。魚に警戒されないように最も細い糸を使う場合が多い) を離します。そこから棚を探るのを開始。
止めた状態から2~3mぐらい仕掛けを下げて止めると、上がった枝がゆっくり落ちる。そこで少し長めに待ちます。
と、いきなり竿先クッ、オリャ↑! スカッ
いやいや、オリャ↑と竿先を上げるんじゃなくてホィ↓っと竿先下げるんだって!でもアタリ (あたり:魚が餌に食いついた時に竿先が動くこと。魚信ともいう) はでるな。
ついつい癖が出てオニアワセになったが、また棚を下げてビタ止めしてしばらくすると、竿先クッ、ホィ↓!と竿先を下げると、上にアワセるのと違って、オモリが落ち着くまでちょっと乗ってるかの確認が必要で、スカッですね。
あははは、アタリ (あたり:魚が餌に食いついた時に竿先が動くこと。魚信ともいう) は出るが下げるアワセは空振り。
でも新しい事をやるとワクワクしますね。まだ餌あるかな~とそのまま待つと、竿先ククッ、ホィ↓!と竿先下げて、あそっか、以前竿先を派手に何度か上下している人がいたが、ここで竿先を再度上げてしっかり針掛りさせてたんだ!今頃になって気付きます。と、なんか乗ってるな。そのまま、電動巻き上げ開始で、ちょっと速めに設定し、断続的に途中グングンで上がってきたのは普通サイズのカマス君。
おお、今日はいい日じゃないか。でも、上顎にかかってました><
その後も、下げて止めて少し待つとアタリ (あたり:魚が餌に食いついた時に竿先が動くこと。魚信ともいう) がでて、ホイッ↓って下げアワセで、ダメならまた棚を下げてを繰り返し、ポツポツ。

船長が「嫌な天気だね~ 」
うぞっ「寒いより釣れない方が嫌なので、まだいいよ! 」
船長から「カマスはサバ以上に足が速いから、釣れたらすぐクーラーに入れてね! 」とアドバイスが出ます。
霧雨が、たまに小雨になったり、止んだりを繰り返しますが、覚悟の上なので気にならない。
下げアワセで針が下顎にかかっているとうれしいですが、乗った瞬間の喜びは、オニアワセの方がありますね。

ちょっとだけ確率的には下げるアワセの方が高い感じですが、ちゃんと上顎でも貫通できる針を使ってるのでそこまで差があるって感じでもない。
ま~オモリもいきなり急激に落ちるわけでもないですからね。間にオニアワセも入れて楽しみます。
一番いいのは食い上げた時のみ下げアワセで、普通のアタリ (あたり:魚が餌に食いついた時に竿先が動くこと。魚信ともいう) はオニアワセの瞬時切り替えハイブリッドだろうけど、胴突きでそんな見極めはできんし、自分もそんな反射速度は持ち合わせていない。

反応が140~170mぐらいまで上ずった後は、流し変えも含め徐々に反応が下がっていきます。
その辺りから少しアタリ (あたり:魚が餌に食いついた時に竿先が動くこと。魚信ともいう) の頻度は下がりましたが、それでもアタリ (あたり:魚が餌に食いついた時に竿先が動くこと。魚信ともいう) はたまに出ます。ず~っと楽しい。
180~200m、190~220mと下がってきたころから小さいサバの邪魔が増えてきました。
ちょっと嫌だけど3本針だし、ま~途中で止まる事は少ないので、我慢できる範囲。アタリがなくて反応範囲を下まで探って上まで戻るってのは、ほとんどないですね。
流し (ながし:一つのポイントで釣りを開始して竿を上げるたまでの一単位。通常潮の流れにまかせる流し釣りの場合に使用する。流し終わると別のポイントへ移ったり、同じポイントの場合は潮上まで戻って流しなおしたりする) 変えもありますが頻度は少なく、反応は続いてるみたいで、反応幅は変わるたびにアナウンスされます。
そして、サバに混じって、あれ?これオアカじゃない?
って魚が入ります。船長にも確認して、「オアカムロアジだよ、おすすめはタタキ 」とのこと。
おお、以前この魚は狙って釣る魚じゃないって言われたけど、全く考えてもいなかった。まさに狙わないと釣れるのを実感。

気温は上がらず、流石に手が悴んではきましたが、サバなりオアカなりのアタリ (あたり:魚が餌に食いついた時に竿先が動くこと。魚信ともいう) が出て、その合間にカマスも釣れる。
反応の上端からいくとサバに見つかるのが早そうなので、反応範囲のの真ん中から下を探ると少しましかな?
今日はサバ餌でも普通にアタリ (あたり:魚が餌に食いついた時に竿先が動くこと。魚信ともいう) が出て、ホタルイカも試しましたが、変わりませんね。そうなると餌持ちが悪いのはデメリット。
仕掛けを左右に二組用意して、交互に手返し良くやって餌付けや調整の時間を減らせば数が釣れるよって船長は言ってましたが、これだけアタリ (あたり:魚が餌に食いついた時に竿先が動くこと。魚信ともいう) が続くなら自分には一組で十分です。
いくらでも釣りたい人なら、朝一だけでも二組交互作戦はいいかもね。
いろいろ試しながら、途切れる事なくアタリは出てポツポツ追加。
一時半ぐらいですかね。時間で納竿 (のうかん:釣りを終了すること) ~。
片づけたら船室に退避して帰港です。
最終釣果 (ちょうか:釣れた魚の数) はカマス17尾(~36cm)、オアカ7尾、サバ多数(餌用に6尾持ち帰り)
渚丸HPより転載


船中釣果 (ちょうか:釣れた魚の数) は不明ですが、皆さん同じぐらいって感じ。
これだけアタリ (あたり:魚が餌に食いついた時に竿先が動くこと。魚信ともいう) が続くカマス釣りは初めてかもしれないです。手返しが速い人はまだまだ数は狙える感じですが、自分にはこれで十分楽しめました。40cmオーバーは入りませんでしたが、35cmぐらいが結構いて、ボチボチでしたし、オアカをゲットも良かったです。
しっかり渋滞にはまって帰宅し、雨は止んでいたので暗い中外で道具を洗い、もくもくと魚の下処理。
カマスは一軍と二軍に分け、二軍は頭を落として塩水に漬けた後、干物に。翌日の朝から昼までは雨が降らない感じなので、その期間外で干して、その後中に入れて水が抜けるまで様子を見ます。



兄宅にカマスとオアカを届けて、当日はお楽しみのカマスの炙り刺身。オアカは生姜醤油でたべますが、船長がタタキ (たたき:竿先を急速に小刻みに上下して、仕掛けをばたばた動かす動作のこと。魚に餌をアピールしたり、動きが速いため一時的に餌をくわえるのを我慢させて、一気に食いつかせる効果がある) がおすすめって話だったので、表面を少し炙ったタタキ (たたき:竿先を急速に小刻みに上下して、仕掛けをばたばた動かす動作のこと。魚に餌をアピールしたり、動きが速いため一時的に餌をくわえるのを我慢させて、一気に食いつかせる効果がある) っぽいのを並べてみました。

いや~炙り刺身は最高ですね。脂の甘みと皮目の香ばしさ、カマスって美味しいな~
オアカの刺身も魚魚してて旨すぎる。オアカのタタキ (たたき:竿先を急速に小刻みに上下して、仕掛けをばたばた動かす動作のこと。魚に餌をアピールしたり、動きが速いため一時的に餌をくわえるのを我慢させて、一気に食いつかせる効果がある) 風は、うーん、火を入れたから美味しくなる感じはないですね。刺身の方が自分は好きですね。
バクバク塩焼きも、骨は抜いてあるので、フワフワながら旨味があって皮目も塩味と香りが混ざって最高。

今年の釣り納めは、極寒に耐えたご褒美にケーキではなくカマスとオアカをゲットしてご満悦の釣行になりました。
アカカマスさん、オアカさんごちそうさまでした。

















